慰安婦に関する米学者声明への日本の学者からの返答 事実に基づいた建設的な対話を求めて
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- Published: Saturday, 08 August 2015 15:12
2015年(平成27年)8月6日
2015年5月5日、米国の日本研究者ら187名が慰安婦問題について「日本の歴史家を支持する声明」(以下、米学者声明)を出しました。その後、賛同者は460人程度に増えたといわれています。私たち日本の学者は、米学者声明の呼びかけに応え、以下の通り見解を表明します。
(1)「慎重に天秤にかける」「歴史的文脈での評価」で完全に一致
私たちは、米学者声明の中に書かれている次の文言に着目しました。
・・・過去の全ての痕跡を慎重に天秤に掛けて、歴史的文脈の中でそれに評価を下すことのみが、公正な歴史を生むと信じています。この種の作業は、民族やジェンダーによる偏見に染められてはならず、政府による操作や検閲、そして個人的脅迫からも自由でなければなりません。 |
この指摘には私たちも同感であり、歴史研究における基本的で重要な原則であると考えます。この認識において、日米の研究者が意見の一致を見たことは素晴らしいことです。
私たちが応答を試みようとしたのも、この声明が、従来、米国で行われてきた慰安婦問題に関する議論に比べると、事実関係に向き合おうという建設的な姿勢がそこに見出せると感じたからです。